トンレンを生んで800年にもなるチベット仏教は、権力の座にありながら、農奴を解放できなかった。チベットの数多くの僧侶と貴族に、慈悲深い精神性は育たなかった。Stuart GelderとRoma Gelderが書き、1964年に出版された『The Timely Rain: Travels in New Tibet』によれば、チベットの僧侶は、羊を2頭盗んだ農奴の目をくりぬき、手をつぶしたのだとか。中華人民共和国成立より前の1929年に出版された、Anna Louise Strongの『Tibetan Interviews』でも、チベット僧侶の残酷さを伝える証言が多数掲載されている。